日々是読書

暇をも手余した無能なニートが本を読んで、感想を書く日記

バナの戦争

帯で『現代版アンネの日記』と紹介されていたが、読むとその意味が分かった。
シリアの内戦に巻き込まれた七歳の少女が自分の気持ちを『ツイッター』を通して訴えたのだ。
また、バナという少女だけでなく母親の補足もある。
ツイッターで訴えることでバナ自身の危険も生まれている。
母親は娘を守るため男の子の服を着せたりと、大人としてできることをしている。
もし、アンネフランクの時代にツイッターがあれば彼女の人生は違っていたかもしれない。
戦争に巻き込まれ、怯え、震えるだけではなく直接『訴える』という新たな可能性が生まれた。
インターネットやSNSによる時代の変化や兆しを痛感した。
また、バナのツイッターをみたハリー・ポッターの作者のjkローリングがバナにハリー・ポッターを送ったが1日で届いたのだ。 シリアに。『なんでそんなことができるんだ!?』と声が上がったが、彼女の答えはこうだ。
電子書籍で送った』
なるほど、それなら、場所も、届けるリスクも関係ない。
世界はどんどん変わっている。

恥ずかしながら、このような少女や出来事があったのを知らなかった。どうして、もっと話題にならないのだろうか。
バナの戦争

ワンダー

本屋で紹介されていたので読んでみた。
主人公はオーガストという名の奇形児の男の子。
差別や偏見などに苦しみながらも家族や友人に支えられる物語。
良い本ではあったが、そこまで感動はしなかった。
なんというか、よくも悪くもアメリカ的なストーリーなので最終的にある種のご都合めいた終わりかたをしてしまう。そこが長所でも短所でもある。
終わりよければ全てよし的な。
視点は主人公のオーガストだけではなく、姉や友人などコロコロ変わる。個人的に姉視点が良かった。
あと、スターウォーズの名前や話が当たり前のように出てくる。詳しい人はフフッてなるけど、詳しくない人には『?』が浮かんでしまうだろう。
ワンダー Wonder

ネゴシエーター

エディマーフィー主演の刑事映画。
タイトル通り、主人公は交渉人。前半は面白かった。後半から終盤になるにつれ、展開が雑になった。
新人の相棒も特に活躍するわけでもないし、いる必要性もあまり感じ。
主人公の『交渉』も最初しか、やってないし。でも、まぁ、王道ものなので退屈はしなかった。
ネゴシエーター [DVD]

明日の子どもたち

有川浩の『明日の子どもたち』を読んだ。児童養護施設が舞台の話だったが、面白かった。というより、読みやすかった。有川浩はこの手のエンタメ系の小説は書き慣れているから、何て言うか、ドラマのような気楽な感覚で読める。
主人公の新人男性職員がちょっと幼稚だか、上手いなぁと思ったのは視点を主人公だけにせず、他の登場人物の視点や背景になるエピソードを少しだけ入れて、上手くキャラの人間性を読書に与えたと思う。
内容も展開も登場人物も『ドラマのみたい』な話だが、ラストと後書きが一番『ドラマのみたい』な話だった。
この小説が全て前振りで、後書きが本編のようにすら思える。ほんと上手くやるよなぁ。

感動 ! 絶賛! 衝撃! とかいうわけじゃないけど、気分転換などには悪くないエンタメ小説です。
明日の子供たち (幻冬舎文庫)

ツーリスト

ジョニデとアンジーが主演の映画。
持論で『ジョニデが普通の格好している映画は微妙』という説があるのだか、今回もその設を後押ししてくれた。もの凄く暇すぎてやることのない暇な人にはオススメ。時間が潰せる。
どうでも良いがこの手の映画レビューで『内容はよく分からなかったけど、ジョニデがかっこいいから☆5です。』とレビューする人は何なんだろう。映画の感想ではなくジョニデの感想じゃん、それ。と思ってしまう。
ツーリスト [Blu-ray]

友罪

本屋でも紹介され、映画化もされている作品。
とある事件の『少年A』を題材にした本だか、
正直、読んでいて気分が悪かった。
あの事件自体、あまり好きじゃないし、あれを題材にしたわりには稚拙というか、『友情』について考えさせるとしては浅いと思う。
あとがきには『少年A』をモデルにした、登場人物『鈴木』の心理描写がないのが秀逸みたいに書かれていたけど、僕的には、小説なのだから『鈴木』の描写があってもいいかなと思った。フィクションとして。
友罪 (集英社文庫)

星の子

宗教にハマってしまった親を持つ中学生の話。
本屋大賞ノミネート作品なので期待したが、あまり、面白いとは思えなかった。鏡の孤城が好きなので、こっちが本屋大賞取らなくて良かったとすら考えてしまった。
なんというか、ひどく、薄味の本だった。
会話文が不必要に多い上に、会話そのものが面白くなかった。
最初と最後の短編でも成立したと思う。
星の子